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ソフトボール部名勝負!
H27 インターハイ栃木県予選2回戦 文星女子高校戦
吉田 峰人
平成27年6月に行われたインターハイ予選において矢板中央高校は2回戦で早くもこの春全国高校ソフトボール選抜大会出場を果たしている新人戦チャンピオンチーム、文星女子高校との対戦となった。試合前での下馬評では文星の圧倒的有利と言われていたが、いざふたを開けてみると最後の最後まで目の離せない緊迫した試合となった。
その試合は6月13日度曜日午後1時56分、大田原グリーンパークソフトボール場において、矢板中央の先攻で試合開始。
1回表、文星女子の先発投手は鎌田。先頭打者の柳田は1ストライクからの2球目をピッチャーゴロ、2番森、3番佐藤と続けてサードフライに倒れ、三者凡退。
1回裏、矢板中央の先発投手は増田。1番長谷川に2ボール1ストライクからの5球目をセンターオーバーでダイレクトにフェンスに当たる2塁打を浴びる。無死2塁。ピンチの場面だが、マウンド上の矢板中央の増田に動揺はなかった。2番渡辺はショートへのゴロ、矢板中央のショート中沢がこのゴロを捕球すると2塁ランナーの長谷川をけん制して1塁へ送球、1死2塁。3番鎌田はショートフライで2死2塁。4番宮本はカウント3ボール1ストライクからの5球目を打ってセカンド左への打球、これをセカンド海村がグラブを懸命に伸ばしてボールをつかみ、右足を踏ん張って1塁へ送球、セカンドゴロで無死2塁のピンチを切り抜けた。
2回表、矢板中央の攻撃、先頭の4番杉山は1ボール2ストライクと追い込まれながら3球ファールで粘った後の8球目を痛烈に打ち返したが、サード薗部へのライナーとなり1アウト。5番山口はセンターフライで2アウト。6番増田はセンター前にワンバウンドで落ちるヒットを放つが、2死1塁の場面で7番中沢はサードフライに倒れ、この回無得点。
2回裏、文星の攻撃。5番柏原を空振り三振、6番戸上をショートゴロに打ち取り、2アウト。7番佐藤は死球で出塁するが、8番早乙女への2球目に1塁ランナー佐藤が離塁アウトを取られ、3アウト。
3回表、矢板中央の攻撃は8番岡本がセンターフライ、9番和気(も)が三振、1番柳田も三振で三者凡退。
3回裏、先頭の8番早乙女がショートゴロ、9番薗部は2ストライクと追い込まれながら左中間へ抜けようかという打球…しかし矢板中央のレフト和気(も)が懸命に走り、間一髪でこの大飛球をつかんで2アウト。1番長谷川はファーストゴロエラーで出塁するが、2番渡辺への5球目のときに1塁ランナー長谷川がチーム2度目の離塁アウトで3アウト。
4回表の矢板中央の攻撃。先頭の2番森がサードゴロに倒れて1死無走者から3番佐藤が叩き付けたワンバウンドがピッチャー鎌田の頭上を抜ける打球でセカンド渡辺がこのボールをつかんで1塁へ投げるが間に合わず、内野安打で1死1塁。しかし、4番杉山が三振、5番山口はファーストフライに倒れ、この回も無得点。
4回裏の文星の攻撃。先頭の2番渡辺が死球で出塁、3番鎌田のピッチャーへの進塁打で1死2塁。4番宮本はライトゴロに倒れ、2死3塁。5番柏原は初球を叩き、レフト和気の頭上を越すタイムリー2塁打によりついに文星に先制点を許してしまった。なおも2死2塁。2点目を狙う文星は続く6番戸上の1ボール2ストライクからの4球目に盗塁を仕掛ける。しかし矢板中央のキャッチャー岡本がボールを捕ってから素早いフォームでのレーザービームのような3塁へのけん制球にショート中沢がすばやく反応して3塁へのベースカバーに入り、このボールをつかんで2塁ランナーの柏原にタッチし盗塁阻止、追加点は許さなかった(上の貼り付け写真参照)。
5回表、1点を追いかける立場となった矢板中央の攻撃。先頭の6番増田はショートゴロ、7番中沢は死球で出塁し、1死1塁。8番岡本は一塁線への絶妙な送りバント、この打球のツーバウンド目がホームベース側に変わり、文星キャッチャー戸上がこの打球をつかむがどこにも投げられず内野安打となり1死1、2塁。9番和気(も)はフルカウントからの6球目をセカンドゴロ、この間に2人のランナーはそれぞれ進塁して2死ながら2、3塁の1打逆転のチャンス。打順は1番に返り、柳田が打席に立つ。その柳田へ1球投げたところで、小林監督は2塁ランナーを岡本に替えて増田をテンポラリーランナーで送る。しかしこの場面での柳田は2球目を打った打球がサード薗部への中途半端なライナーとなり3アウト、2者残塁でこの回も無得点。どうしてもあと1本が出ず、ホームベースが遠い試合展開だ。
5回裏の文星の攻撃、先頭の6番戸上はセンター前ヒットで出塁、続く7番佐藤はサード前への送りバントで1死2塁のピンチ。しかし8番早乙女を三振、9番薗部をファーストゴロに打ち取りピンチを脱した。
6回表の矢板中央の攻撃、先頭の2番森が叩きつける打球がショートへの内野安打となりこの試合初めてノーアウトのランナーを出す。続く3番佐藤はサードへの送りバントを決めて1死2塁。4番杉山への2球目の鎌田の投球がワンバウンドとなり、キャッチャー戸上が1塁ベンチのほうにボールをこぼすワイルドピッチとなり、1死3塁。このチャンスに4番杉山は1ボール2ストライクと追い込まれながらも鎌田の投げた4球目を弾き返し、ショート長谷川の頭上を越すレフト前タイムリーで3塁ランナーの森が生還、ついに矢板中央は試合を1対1の振り出しに戻した。なおも1死1塁で5番山口はサード前への送りバントで2死2塁と逆転のチャンスのお膳立てをするが、6番増田はサードフライに倒れ、勝ち越しはならず。しかし、同点となった。
6回裏の文星の攻撃、先頭の1番長谷川は1ボール2ストライクと追い込まれながら4球目を打って三遊間の痛烈なゴロ、しかしうまく回り込んだショート中沢がボールをつかみ、右足を踏ん張って1塁へのこれまたレーザービームのような送球で間一髪アウトに打ち取った。続く2番渡辺はショートフライ、3番鎌田をファーストゴロに打ち取り三者凡退。
試合は1対1のまま最終回に突入する。
7回表、矢板中央の攻撃は先頭の7番中沢はセンターフライ、8番岡本は三振、9番和気(も)も三振で三者凡退。
7回裏、文星の攻撃は先頭の4番宮本が1ボール1ストライクからレフト和気(も)の頭上を越す2塁打で無死2塁。先ほどの打席で先制のタイムリー2塁打を放っている5番の柏原を迎える。矢板中央の小林監督は「最初の1球目はボール球から入り、相手打者の様子を見る」との指示をバッテリーに出す。しかしそのボール球をなんと柏原はフルスイング、痛烈なライナーがセンター柳田の頭上を襲う。柳田はこの打球に追い付こうと懸命に背走するが、ボールは無常にもダイレクトでフェンスを越え、サヨナラ2ラン…。
試合は1対3で惜しくも敗れてしまったが随所に勝負どころで好プレーを連発し、新人戦のチャンピオンチームをあと一歩のところまで追い詰めたこの試合は、46年間果たされていないインターハイ出場がそう遠くない手の届くところまで大きく近付いたことをこのチームは証明してみせた。