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ソフトボール部名勝負!
H28 関東大会栃木県予選1回戦 文星女子高校戦
吉田 峰人
平成28年5月に行われた関東予選において矢板中央高校は初戦でいきなり文星女子高校との対戦となった。試合は5月14日土曜日午前11時7分、柳田緑地公園ソフトボール場において、矢板中央の先攻で試合開始。
1回表、文星の先発マウンドには左腕エースの中山が上がる。その立ち上がりを攻める。1番の渡辺は2-2と追い込まれながらも5球目の速球をセンター弾き返す。間違いなく三振を狙いに行ったであろう絶妙のコースのボールを弾き返されて驚いたのか、文星のセンター宮本を前進が一瞬遅れ、取れたはずの打球はショートバウンドで捕球しセンター前ヒット、さらに宮本の2塁への送球は大きく逸れてボールデッドとなり、渡辺は3塁まで進み無死3塁。2番斎藤は三振に倒れ、1死3塁。3番和氣はライトフライに倒れ、2死3塁。ここで4番の田辺を迎える。田辺は2球目を強く叩き付けるバッティングでセカンドへ打ち、1塁へ全力疾走。その走塁が視界に入ったのか文星のセカンド大山は難しいショートバウンドを弾いてしまうエラー、3塁から渡辺が還り1点を先制。さらに2死1塁から5番の佐藤もカウント2-2と追い込まれながらも5球目をセカンドの左を破るライト前ヒット、この間に1塁ランナーの田辺は一気に3塁へ。文星のライト関谷はそれを阻止すべくサードへ送球するがこれが悪送球となり、田辺はホームへ。貴重な2点目が入り、打者走者の佐藤も2塁へ。2死2塁となるが6番印南はセカンドゴロに倒れ、追加点ならず。しかし、大きな2点が矢板中央に入った。
1回裏、矢板中央の先発マウンドには田辺が上がる。1番関谷をセンターフライ、2番佐藤をライトフライに打ち取るが、3番宮本を四球で歩かせ、次の4番安達のときに1塁ランナーの宮本は盗塁を決め、2死2塁。ここで安達はライト前にヒット、ライト佐藤は深めに守っていたためボールを捕球し素早く1塁に送球するが一瞬間に合わずセーフとなり、この間に2塁から宮本は一気にホームイン、1点を返される。さらに2死1塁で続く5番早乙女は初球を弾き返し、3塁線に落ちる長打が出て1塁ランナーの安達は一気にホームへ。しかしレフトフェンスでのクッションボールを上手く処理した阿美は中継に入ったショート海村へ素早く送球、そしてボールを受けた海村も懸命のバックホーム、これがストライクでキャッチャー和氣のミットに収まり安達をホームベース上でタッチアウトにして同点を阻止した。しかし、2対1と1点差にされてしまった。
2回表、矢板中央は先頭の7番阿美は空振り三振に倒れるが、8番鈴木が1ストライクから絶妙なサード前へのセーフティーバントで出塁。9番海村は四球で続き、1死1、2塁。ここで1番渡辺を迎える。カウント1ボール2ストライクからの5球目を強く叩き付けたゴロがピッチャーの後ろを襲うが、文星のショート鈴木がこのゴロを落ち着いて処理すると6-4-3と渡るダブルプレーとなり追加点のチャンスを逃してしまった。
2回裏、文星の攻撃。先頭の6番鈴木がセンター前に出塁すると、続く7番大野はピッチャー前へのゴロ。田辺は思い切って2塁へ送球するが1塁ランナー鈴木の足が一瞬早くセーフ、野選となり無死1、2塁。続く8番人見はピッチャー前への送りバントで1死2、3塁。9番人見は故意四球で1死満塁。1番関谷はセンターフライに打ち取り2死満塁。2番佐藤はカウント1-1から意表を突くピッチャー前へのセーフティーバント。これを見事に決められ、3塁から鈴木が還り2対2の同点に追い付かれてしまった。3番宮本はサードフライに打ち取るが、試合は振り出しに戻った。
3回表、矢板中央は先頭の2番齋藤がキャッチャーフライ、3番和気がセカンドフライに倒れ、4番田辺はセンター前で出塁するが、5番佐藤は三振でこの回無得点。
3回裏、文星は4番安達がショートフライ、5番早乙女は左中間を破る二塁打で1死2塁。6番鈴木は2ボール1ストライクからの4球目をピッチャーへの痛烈なライナー。これを驚異的な反応で矢板中央のピッチャー田辺は捕球し、さらに2塁へ送球して飛び出した2塁ランナー早乙女もアウトにし、ダブルプレーでピンチを脱した。
4回表、矢板中央の攻撃は先頭の6番印南が三振、7番阿美がセカンドフライ、8番鈴木は空振り三振に倒れ、三者凡退。
4回裏、文星の攻撃。矢板中央のピッチャー田辺は7番大野をサードゴロ、8番人見は三遊間へのゴロを矢板中央のサード渡辺が弾いてしまうがショート海村がカバーし素早く1塁へ送球、打者走者の人見をアウトにし2死。さらに9番大山をライトフライに打ち取り、三者凡退に打ち取った。
5回表、矢板中央の攻撃。文星のピッチャー中山の前に9番海村、1番渡辺、2番齋藤と三者連続三振に打ち取られてしまった。
5回裏、文星の攻撃。先頭の1番関谷を死球で出塁させてしまうと2番佐藤は送りバントを決め、1死2塁。3番宮本はピッチャー前へのゴロだが田辺が弾いてしまうエラーで1死1、3塁。ここで矢板中央の小林監督は満塁策を再び選択、4番安達を故意四球で歩かせる。1死満塁の場面で迎えるのは2本のヒットを放っている5番の早乙女。1ボールからの2球目を叩き付けるショートへのゴロ。間一髪のタイミングであったが矢板中央のショート海村は懸命のバックホームで3塁ランナーの関谷をホームで刺した。2死満塁。マウンド上の田辺は続く6番鈴木を2球で2ストライクと追い込み、4球目をライトフライに打ち取る粘投で1死満塁のピンチを脱した。
6回表、矢板中央の攻撃は先頭の3番和氣が空振り三振、4番田辺がショートゴロ、5番佐藤が三振に倒れ、三者凡退。
6回裏、文星の攻撃は7番大野が三振、8番人見は死球で出塁。9番大山の打席の時に人見は盗塁を試みるが離塁アウトとなり2死。大山もショートゴロに打ち取り、結局3人で抑えた。
7回表、矢板中央の攻撃。先頭の6番印南がライトフライ、7番阿美が空振り三振、8番鈴木がキャッチャーフライに倒れ、三者凡退。
7回裏の文星の攻撃、先頭の1番関谷は痛烈なライト前へのヒット。矢板中央のライト佐藤は長打を警戒し深めに守っていたが、打球が痛烈であったため一瞬「間に合う」と判断し一か八かのファーストへの送球、しかしファースト大島が懸命に手を伸ばすも届かず僅かにその送球が高くそれ、キャッチャー和氣の懸命のバックアップも間に合わずボールデッドとなり、打者走者の関谷は2塁へ進塁する無死2塁のピンチ。続く2番佐藤を歩かせ、無死1、2塁。3番宮本はセカンドゴロとなり矢板中央のセカンド齊藤は2塁ベースカバーに入ったショート海村に転送し1塁ランナーの佐藤を2塁でフォースアウトにし、1死1、3塁。4番安達に対しては勝負をせず、四球で歩かせて1死満塁。続く打者は今日当たっている5番の早乙女。早乙女はカウント1ボール2ストライクと追い込んだ後の4球目を叩き付けた打球は三遊間へのゴロ。このゴロを矢板中央のショート海村は逆シングルで捕球、そして懸命のバックホーム…しかし飛んだ打球のコースと3塁ランナー関谷のスタートが良く、キャッチャー和氣にボールが到達するより一瞬早く3塁から関谷が還ってしまい、サヨナラで試合終了。
あと一歩及ばず、矢板中央は2対3で敗れてしまった。
しかし初回の2ストライクと追い込まれながらのセンター返しとしぶとく叩き付けるような各打者のバッティングで相手の焦りを誘う鮮やかな先制攻撃、そして田辺と和氣のバッテリーを中心に何度も訪れたピンチを凌いだ粘りの守備、選手全員が心を一つに気持ちを盛り上げチームワークで接戦に持ち込んだ1時間30分という試合時間の中で、矢板中央サイドは強豪文星相手に一歩も引かない引き締まった試合ぶりで今後のインターハイ予選に向け確かな手応えを掴んだのである。