更新日 2019-02-05 | 作成日 2008-03-20

新聞づくりのポイント

ここが ポイント だ!

1 マンネリの打破
 ジャーナリズムの使命は「風」を起こすこと


2 新聞づくりの五か条
(1) 記事は足で書け
  言い古されたことばだが、新聞は取材が命だ

(2) 多角的な取材を
  取材は肯定意見だけはなく批判も取り入れ、客観的・多角的な掘り下げを

(3) 真実を伝えよ
  事実を伝えることはもちろん、真実は何かの視点を持つ

(4) 読まれる新聞づくりを
  読みたくなるようなビジュアルな紙面をこころがける 

(5) オピニオンリーダーたれ
  学校や社会に提言し、世論を喚起し、風を起こし、よりよい革命を


3 新聞は、「公器」
  特定の人の利盆ではなく生徒の知る権利を保障するためのもの

1マンネリの打破

 学校新聞はただ単に学校の出来事を知らせるためではなく、広い意味で学校内外のニュースを報道するスクールジャーナリズムといえる「ジャーナリズムの反意語はマンネリズムである」とよく言われている。
私たちはとかく前例を踏襲しがちであるが、新聞づくりにおいてはつねに問題意識を持ってチャレンジし続けることが肝要。いい新聞はマンネリの打破から生まれる。偉大な映画監督であり俳優であったチャップリンは「今までで、あなたの最高傑作は何ですか」と尋ねられると「ネクスト ワン」と答えたという。
「ネクスト ワン」つまり、「次の作品です」と答えるとはなんと素晴らしいことか。人間はとかく前例を踏襲しがちである。しかし、「前例がないからやってみよう」の精神が大切なのだ。この考え方は、ビジネス社会をはじめ人生の成功哲学にも共有している。
 新聞は民主主義を育て、それを創造する原点である。民主主義を保持していくためには、不断の努力が重要である。スクールジャーナリズムは学校におけるその担い手であるのだ。
「風」を起こし学校を活性化させたい。なお、学校新聞は、学校教育の一環であるという視点も忘れないようにしたい。

2新聞づくりの五か条

 新聞づくりには、なぜ新聞を作るかという新聞づくりの原点をつねに視点に入れ、次にあげる五か条を意識したい。
(1)記事は足で書け。
 取材さえしっかりしていれば、文章はおのずと書ける。文章がうまく書けない人も次第に上達する。取材中心で依頼原稿は極力避けよう。
(2)多角的な取材を。
 取材は一方的にならないこと。十一(プラスマイナス)両方の意見を取材しよう。学校新聞では三者「生徒・教師・保護者」は必須。地域・専門家の取材もまじえ、記事に深みと広がりをもたせよう。特集記事はこれを心がけよう
(3)真実を伝えよ。
 新聞は事実を正確で公正に伝えることが命である。そこにある事実は何か、ジャーナリズムの真髄は真実が何かを伝えることにある。
(4)読まれる新聞づくりを。
読んでもらってはじめて新聞の影響力が発揮される。ビジュアルな紙面づくりを心がけ、読まれる工夫をしよう。そのためには、他紙の研究も。
(5)オピニオンリーダーたれ。
 記録し知らせるだけの新聞ではなく、問題提起や起言をして学校や社会を変えていけたら素晴らしい。問題意識を常に持ち、時代を切り開いていく気概を持とう。まさに、「風」を起こせ。
3新聞は「公器」 ―民主主義の原点
 公器というのは古い言葉かもしれないが、一般の新聞は特定の人や機関のためにあるものではなく、世間一般のひとの「知る権利」を保証するためにあるものだ。
 スクールジャーリズムとしての学校新聞は生徒のためにある。新聞の発行は自己満足でやっているのではない。生徒を代表して取材をする。新聞を発行することによって、読者に「知る権利」を保証し、発行者は「表現の自由」を体得する。この視点を忘れないようにしたい。表現の自由とプライバシーの権利を常に意識しよう。新聞は民主主義を育て、創造していく原点であるという意識を持ちたい。
 こうした視点を持って新聞づくりをするには、高い見識と責任をともなう。日本新聞協会の「新聞論理網領」を参考しよう。

新聞作成のポイント2

企画取材
① どんな新聞を作るのか
 新聞名、紙面の大きさ、ロゴ、テーマ、調査、特集、報道、問題提起、硬め、軟らかめ、読まれる新聞など

② 編集会議をしっかりと
記事数、トップ、企画ものの配置、記事分担、役割分担「カメラマンも」など

③ 記事のネタさがし
「ひろう」「みつける」「さぐる」「つくる」「ほりさげる」

④ 取材方法はどれでいく
 ●インタビュー(人物の氏名・職業・年齢を聞く)
 ●アンケート(対象標本記入・なぜほりをさげる)
 ●座談会(テーマを明確)
 ●依頼(できれば避けたい)など

⑤ 紙面のポイント
 (1) 計画力
 (2) テーマ性
 (3) 報道力・社会性
 (4) 文章(5W1H)
 (5) 見出し(内容と種類)(ファーストインプレッション)
 (6) レイアウト(読みやすさ)(価値判断・基準)
 (7) 写真(インパクト・臨場感)(説明)

特に力を入れたい点
 ●テーマ性・・・テーマにもとづいた取材を心がけよう。「○○の活性化」「観客戦略と地方都市の活性化」など
 ●見出し・・・種類(何について・例、体育祭)だけの場合が多い。必ず内容(何だ・例、赤組優勝)を載せ、種類により内容に重要を。2本見出し。

取材活動のPOINT
1. 取材活動で押さえておきたい点(5W1H・問題点・記者の眼など)
 ① 特色
 ② 歴史
 ③ 現状
 ④ 戦略
 ⑤ 問題点
 ⑥ 今後の展望

 取材先は、自分の選択ではないものの、新聞記者はニューソースを多角的に掘り下げなればならない。短時間では、深く掘り下げることは難しいが、事実な何かの視点で取材しよう。(声なき声を伝える)
 新聞記者はみんなが注目する点は勿論取材をする必要がある。しかし、独自の視点を持ち、他ではやっていない事を掘り下げていく。(調査取材・問題提起)
 ただ単に、取材先発表報道をするのではなく、事実を抑えたうえで、取材したことや、事柄を多角的に、批判的にみる視点が必要である。(ジャーナリズムの眼)
 テーマ報道では、できるだけ提言方紙面を目指そう。(新聞で風を起こせ)

2. ここがポイントだ
 ○ 取材はまさに「足で書く」ということ。自分の目で確かめ、事実を把握しよう。
 ○ 取材に当たっては文献、インターネット等で事前学習をしておくこと。
 ○ インタビューを必ずしよう。その際、氏名(フルネーム)、肩書き、年齢も聞く。
 ○ 取材に当たっては、あらかじめ質問内容を決めておくと良い。ただし、その場で臨機応変な対応も必要。
 ○ 取材先も迷惑にならないようにしよう。特に営業中のお店などに心配りを。
 ○ 取材対象は一面的にならず、多角的に。例えば、ある商店では、1.産業従事者(店長など)、2.お客、来場客(観光者)、3.地域住民、行政サイドなど
 ○ 視点を変えた取材を。ありきたりのことではないものを引き出そう。特色を出す。
 ○ 多くの取材し取捨選択。事実→分析→まとめ(見解)の制作に生かす。
 ○ 取材先だけではなく、あらゆるものが取材対象となる。